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呼吸療法認定士

【呼吸療法認定士】絶対におさえたい〈肺炎〉

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はじめに

肺炎は特に高齢者が多く罹患し、時に致命的となります。

肺炎といっても原因微生物は何かどこで罹患したものかなどで分類があります。肺炎とひとくくりにせず、根本から理解して治療や看護につなげられたら良いと思います!

肺炎とは

呼吸器感染症は上気道炎、喉頭炎、気管支炎、肺炎に分けられますが、その中で特に重要なのが肺炎で、細菌やウイルスなどが原因で肺に炎症が起こる病態をいいます。

肺炎の分類

市中肺炎(community-acquired pneumonia:CAP)

・日常生活の中で発症する肺炎で、細菌性肺炎が多い

・肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ菌、黄色ブドウ球菌、マイコプラズマが多い

院内肺炎(hospital-acquired pneumonia:HAP)

入院後48時間以上経過してから発症する肺炎

・細菌性の他、真菌、ウイルスがなどが原因となる

誤嚥性肺炎、人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia:VAP)、日和見感染症なども重要

医療・介護関連肺炎(nursing and health care-associated pneumonia:NHCAP)

①長期療養型病床群もしくは介護施設に入所している
②90日以内に病院を退院した
③介護を必要とする高齢者、身障者
④通院にて継続的に血管内治療を受けている

上記のいずれかを満たす集団で肺炎になった場合をいう

MRSAや緑膿菌など耐性菌が関与している可能性があり治療が困難なケースも

肺炎の予防のために肺炎球菌ワクチンインフルエンザワクチン、最近では新型コロナウイルスワクチンの接種も重要となってきます。周囲の65歳以上の方でワクチンをしっかり接種しているか、今一度確認していただけると良いかと思います。

肺炎の重症度分類

A-DROPスコア

①男性70歳以上、女性75歳以上
②BUN21mg/dl以上または脱水あり
③SPO2:90%以下(PaO260mmHg以下)
④意識障害
⑤収縮期血圧90mmHg以下

上記の中で該当項目が
・0であれば継承として外来治療可能
・1または2であれば中等症として外来または入院治療
・3であれば重症として入院治療
・4または5であれば超重症として集中治療管理が必要となる

肺炎の原因

細菌性肺炎

・肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌などが原因で発症する

・痰がらみのある咳が出て、痰は黄色や緑色の感染性の痰となる

ウイルス性肺炎

・インフルエンザウイルス、水痘ウイルス、麻疹ウイルスなど様々なウイルス原因で発症する

・激しい咳、高熱、倦怠感、食欲不振など様々な症状が出現する

非定型肺炎

・マイコプラズマやクラミジアなどの微生物によって発症する

・乾いた咳が長く続くのが特徴で痰がらみは少ない

肺炎の治療・看護

肺炎の治療

・肺炎の治療において、原因微生物を同定してから最も有効な抗微生物薬を使用することが原則であるが、培養には時間を要するため、初期治療では症状や罹患したときの状況などを考慮して薬物を選択し投与するエンペリック治療(empiric therapy)が行われれる。市中肺炎の初期治療には肺炎球菌などを想定してペニシリン系薬物が用いられる。また、非定型肺炎が疑われればマクロライド系あるいはテトラサイクリン系薬物を選択する。

・肺炎が悪化すると低酸素血症となるため酸素療法が必要となる。肺炎のみで他の合併症がない場合はⅠ型呼吸不全が主病態となるが、COPDなどの慢性呼吸器疾患を合併している場合はⅡ型呼吸不全を増悪させる可能性が高く慎重な酸素投与が必要となる。
重症肺炎ではNPPVや気管挿管・人工呼吸器管理が必要になることがあるが、気道分泌物が多く喀出困難な場合はNPPVは適応となりません。

肺炎患者の看護

・適切な方法での培養・検体採取
・呼吸状態の観察(呼吸回数、呼吸様式、呼吸音、努力呼吸の有無など)
・安楽な呼吸が行えるような体位調整
・痰の貯留があれば体位ドレナージ
・痰の自力喀出困難があれば吸入や吸引を実施し気道浄化をはかる
・医師の指示に沿った安全な酸素療法の実施(Ⅱ型呼吸不全がある場合は慎重な酸素投与が必要!)
・NPPVや人工呼吸器の管理
・発熱・悪寒、倦怠感、食欲不振など様々な苦痛症状を取り除く

最後に

呼吸器疾患について呼吸療法認定士の資格をとったときを思い出しながら継続してまとめていきます。

読んでいただいて臨床に活かして頂けると嬉しいです。