※この記事は私が心電図検定に向けて勉強した内容をまとめたものです。使用している参考書、Youtube等はこちらの記事にまとめています。
Youtubeでも洞不全症候群についてまとめています。1.5倍速での視聴がお勧めです。
洞不全症候群まとめ
洞不全症候群(sick sinus syndrome:SSS)とは洞結節やその周囲の伝導機能の障害によって徐脈となり、徐脈によってめまいや失神、心不全などの症状を呈するもの。
Rubensteinの分類によってⅠ群からⅢ群に分類される。
Ⅰ群:洞性徐脈
洞結節の自動能が低下している状態で、HR50/分以下の徐脈となる。
[HR43/分の洞性徐脈]
Ⅱ群
洞停止
洞結節の自動能が一時的に停止してしまうことでR-R間隔の延長を認める。洞停止が長ければ房室接合部等の下位の刺激伝導系から補充収縮が出る。
延長したR-R間隔は非整数倍となるのが特徴。
[洞結節からの自動能で調律が回復している]
洞房ブロック
洞結節の自動能は保たれているが、洞結節から心房への刺激が一時的にブロックされている状態。
自動能は保たれているので延長したR-R間隔は整数倍となるのが特徴。
Ⅲ群:徐脈頻脈症候群
上室性頻拍が停止する時にR-R間隔の延長を認める。頻脈の後の徐脈をみたらⅢ群の徐脈頻脈症候群を考える。BTS(bradycardia-tachycardia syndrome)ともいいます。
[房室接合部からの補充収縮が一拍入ってから洞調律に回復している]
上室性頻拍によって洞結節の刺激は抑制された状態になっており、急に頻拍が停止してもすぐには洞結節の自動能は復帰することができないため徐脈となる。カッコよく言うとoverdrive suppressionという。
【overdrive suppression】
https://new.jhrs.or.jp/contents_jse/words/view.php?id=317&page=32
自己調律よりも高頻度の電気刺激を数十秒加えた後に突然中断すると、自己心拍の回復が一時的に抑制される現象。洞不全症候群では、心房の高頻度刺激を中断した際に洞結節自動能に対するoverdrive suppressionが起こって長い心停止が誘発されることが知られており、広く診断に応用されている。
Instagramでも過去に徐脈頻脈症候群についてまとめているので参考までに。
房室ブロックとの鑑別
最後に
心電図理解にはやはり解剖生理と刺激伝導系の理解が重要ですね。
私も検定に向けて勉強せねば…。